2024年5月

電源不要の漏水センサー

ミネベアミツミの子会社が「バッテリーレス漏水センサー」を開発し、販売量を伸ばしている。このセンサーは、帯状のセンサーリボンと無線タグで構成され、バッテリーなどの電源は無い。配管などにリボンを巻き付けるように設置する。漏水があった場合、リボンに織り込んだ金属の電極が水と反応すると、微弱な電気が生じる。それらを蓄電・昇圧して、無線通信で連絡する仕組みになっている。電源が不要とは、ピカイチのアイデアだ。0.15mlのわずかな水滴から検知でき、通信するタグには固有の識別番号があるため、複数設置した場合でもどこで水が漏れているか正確に把握できるという。近年、築年数が古いビルや商業施設などが増え、維持・管理が課題になっている。老朽化施設の漏水被害対策の必要性は高まっている。まさに時代に合ったアイデア商品だと思う。

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国立大の学費150万円の是非

中央教育審議会での伊藤公平慶応義塾長の提言「国立大の学費を年150万円に上げるべきだ」が議論を呼んでいる。現在の国立大の学費の標準額は年53万5800円。実質的な学費は年300万円かかるので、2040年には3倍にすべきという提案だ。同時に返済不要の給付型奨学金を充実させることも提案している。提言の目的は、大学教育の質を上げること、私大との学費格差を抑えること、地方大学の空洞化を避けること、だと言う。この提案は概ね妥当だと思う。そもそも受験勉強に金がかかり過ぎている。東大合格者の殆どが裕福な家庭で育っているのも肯ける。学費を上げて、同時に給付型奨学金を充実させれば、家庭格差もある程度解消されることになる。でも、伊藤塾長の提案は次善の策だと思う。日本の大学教育における最大の問題は、国が大学教育に力を入れていないことだ。いや、むしろ、法人化などで足を引っ張っていることだ。中央教育審議会は文科省内の内輪の議論で済ましてはいけない。国としての教育の在り方を議論し、国の方針を正していく立場にある。中央教育審議会が言わずして、教育の質が向上するはずがない。

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中央教育審議会の在り方について

文科相の諮問機関・中央教育審議会の特別部会が、教員確保策を取りまとめた。「教員給与特別措置法の枠組みを維持し、教職調整額の支給割合を現行の給料月額4%から10%以上に引き上げる」というもの。しかし、審議を傍聴した現職教員、大学教授、弁護士らの3団体からは0点評価された。そもそも教員の問題は長時間労働にある。教員の仕事は、専門職としてやるべき授業の準備や教材研究と、同僚や児童生徒、保護者と向き合う仕事と、文科省が強制する膨大な書類書きだ。誰がやっても短時間には熟せない。もう1つの問題は、教員に労働基準法が適用されていないことだ。しかも、4%とは、50年余り前、月の残業時間が平均でおよそ8時間だったことから、その相当額として月給の4%と定められていたもので超時代遅れだ。これらの問題を知りながら、10%で手を打つ中央教育審議会は、問題解決から逃避していると言わざるを得ない。更に中央教育審議会の委員には現場教員が一人も含まれていない。現場を知らない年寄りの頭でっかちが、昔ながらの頭で答申しているだけなのだ。もしこの10%答申を許せば、日本の教育現場は衰退の一途しか残されていない。盛山文科相には荷が重すぎる。岸田と伴に去るべきだと思う。

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認知症の最適予防法は音

音を聴くだけで、副作用無しに認知症を予防出来るスピーカーが開発・実用化されたという。シオノギヘルスケアが販売している「kikippa」だ。2019年に米MITの神経科学者が「認知症のマウスに40Hzの刺激を与えると、脳のアミロイドβが減った」という論文を発表した。その研究を基に開発されたのがkikippaだ。このスピーカーをテレビにつなぐと、テレビの音に1秒間に40回の振動が加わり、40Hzのガンマ波サウンドが出る。スピーカーを通してテレビの音を聞くだけで、脳内のアミロイドβを減らす効果が見込めるという。そう言えば、モーツアルトの音楽の健康効果も有名だ。聴いているだけで、記憶力を高め、認知症を改善させたり創造力を育てる作用があると言われている。自分も単身赴任寮で良くモーツアルトを聴いたものだ。認知症には予防薬のレカネバブがある。しかし、効果は限定的だし、年間500万円もかかる。当面は、非薬物療法に期待したいものだ。

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揚水式発電所の建設推進を

核融合発電の実用化は先が遠い。日本の現在の電源構成は、火力70%以上、太陽光9.2%、水力7.6%、原発5.6%、バイオマス3.7%、風力0.9%、地熱0.3%となっている。2030年の目標は、火力41%、原子力20~22%、再エネ36~38%とされている。しかし、原発は地震大国の日本にはそぐわない。太陽光は昼間しか発電しないし、設備の寿命が短いのでサステーナブルではない。日本の立地条件を考えると、今後は水力と地熱に力を入れるべきだろうと思う。いま揚水式発電所が注目されている。高低差をもつ上部と下部の2つの調整池を水路で連結し、中間部の発電所で発電する方式だ。夜間電力の余裕分によって下部調整池より上部調整池に水を汲み上げ貯蔵、昼間の電力ピーク時に上部調整池から下部調整池に水を流下させて発電することで、日変動の調整と安定供給が可能になる。北海道・京極発電所は最大出力60万kWを発電し、一般家庭の約7万世帯分をカバーしている。長野県・群馬県にまたがる神流川発電所も山梨県・葛野川発電所も成果を上げている。電力は送電ロスが大きく、地産地消が最も適している。日本の地形を考えれば、全国に多くの揚水式発電所を建設すべきだと思う。おまけに水害の防止にも役立つことになる。日本のエネルギー政策は根本から見直されるべきだと思う。

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核融合研究の推進を

政府は核融合の研究に2024年度からの5年間で約200億円を投じる。次世代技術である核融合発電の実証開始時期を2030年代に早めるため、技術開発や人材育成の支援に向けた新法をつくる方針だ。核融合発電は、太陽の内部で起きるのと同じ反応を応用する。原子の核同士をくっつける時に出る膨大なエネルギーで発電する。燃料の重水素は海水に含まれるため資源リスクが少なく、発電時に二酸化炭素を出さない。原子力発電と比べ使用済み核燃料の放射能レベルが低く暴走事故も起こりにくいため安全性が比較的高いとされている。まさに次世代の発電技術と言える。ただ核融合反応の安定には燃料をセ氏1億度の超高温に維持する必要があり、制御技術が課題だ。核融合反応を連続して起こした事例はまだない。電力源に乏しい日本にとって、世界に先駆けて核融合発電に成功すれば、まさに一発逆転だ。政府は本腰を入れて開発を推進すべきだと思う。

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SIMスワップ事件と河野デジタル相の対応

大阪府八尾市の市議がSIMスワップ事件の被害を報告した。早速テレビの情報番組で詳細が報道された。本人の知らない間にスマホの電話番号が乗っ取られ、その後クレジットカードが不正に利用されたり、ロレックスのローンが組まれて返済だけが残ったという。犯人は個人情報を入手し、マイナカードを偽造し、携帯電話ショップ店頭で「スマホを紛失したので機種変更をしたい」とSIMカードの再発行を受け、本来の所有者の知らぬところで、正規のSIMカードを取得したのだ。問題は、ショップ店員が偽造と気付かずマイナカードの目視で本人と確認してしまったことだ。この事件について河野デジタル相は「右上のうさぎのキャラクターがパールインキで印刷されており、偽物は色が変わらないからすぐわかる。ICチップの情報を読み取れば詐欺は防げる。偽造を見分けるチェックポイントを記した文書を事業者向けに配布する」とコメントした。でも、コメントは間違いだらけだ。うさぎのパールインキなんて知っている人は殆どいない。デジタル庁の周知徹底がいい加減だ。ICチップ読み取り機をショップに置くには高価過ぎる。アプリを作るというが後手後手だ。今更チェックポイントを教えるのは遅きに失するし、デジタル庁が紙で配付するとは情けない。河野デジタル相には全くやる気が見られない。残念としか言い様がない。

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日本はxenophobiaか

バイデン大統領が、アジア系米国人支持者を対象にした政治献金集めのイベントで、移民問題に触れて発言したことが炎上している。バイデン発言は下記の通り。「米国の経済が成長しているのは移民を受け入れているからだ。なぜ日本は経済問題を抱えているのか。それは彼らが外国人嫌悪症xenophobiaで移民を望んでいないからだ。我々の経済が成長している理由の一つは、アジア系や中南米系の移民を受け入れているからだ。なぜ中国の経済がひどく失速しているのか。なぜ日本は問題を抱えているのか。なぜロシアもインドもそうなのか。それは彼らが外国人嫌悪症に罹っており、移民を望んでいないからだ。米国は外国人嫌悪症には罹ってはいない」。問題は2つある。1つは、日本を中国やロシアと同列に扱ったこと。もう1つは、外国人嫌悪症xenophobiaという言葉を使ったこと。日本は移民にあまり前向きではないが、xenophobiaではない。日本のメディアはxenophobiaを排外主義と翻訳しているが、やや生ぬるい。xenophobiaという語は、外国人に対する恐怖や警戒を意味するが、単なる恐怖や警戒ではなく憎悪や軽蔑の感情を強く含んだものとして用いられているのだ。ちなみにムスリムへの憎悪はislamophobia、ロシアへの憎悪はrussophobia、黒人への嫌悪はnegrophobiaと呼ばれる。林官房長官は「正確な理解に基づかない発言であったことは残念」と述べたに留まった。猛烈に抗議すべき発言であったというのに。あの岸田訪米は一体何だったのだろうか。

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その後:SNS型投資詐欺の撲滅を

前澤友作、ホリエモン、池上彰、森永卓郎、泉房穂ら有名人になりすましてフェイスブックやインスタグラムの偽広告でカネを騙し取るSNS型投資詐欺が増え続けている。「SNS型投資詐欺の撲滅を」に書いた通り、前澤の抗議は不発に終わった。今度は泉が抗議した。泉はメタに広告の削除を要求したが、返ってくるのは「泉房穂の広告は削除されませんでした」という自動回答のみ。「メタの審査チームによる審査の結果、泉房穂の広告はコミュニティガイドラインに違反していないと判断されました」というのが理由。次に泉がXでメタを刑事告発すると書いたら、泉にメタの担当者から電話があった。でも埒が明かない。メールと電話でやり取りしても埓が明かないので、メタに直接乗り込むと告げた。向こうは「止めてください」と言ったが「いや、行くから」と電話を切った。そして、泉が訪問する予定日の朝、泉のなりすまし広告は全部消えていた。人海戦術で一つずつ手作業で削除を続け、突貫工事で全部きれいにしたとのこと。できない言い訳をこれまでしてきていたが、要はやる気になれば本当はできるのだ。一方Xはメタと違って、なりすましだと通報すると、きちんと削除するし、そのアカウントの凍結もするようだ。要するにメタにやる気が無かっただけなのだ。国は一刻も早く「なりすまし防止法」を制定すべきだ。罰則を設け、運営会社がSNSで詐欺に気づいたら対策を取ることを明記すべきだと思う。

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歯が生える薬

大阪市の北野病院などの研究グループが世界で初めて「歯が生える薬」の治験を開始すると発表した。マウスを使った実験から特定のタンパク質の働きを抑えることで歯が成長することを発見したという。生まれつき6本以上歯が足りていない「先天性無歯症」は、人口の0.1%程度いる。食べ物を噛んだり、言葉を発したりする力が弱く、子どもの成長に悪影響をおよぼす一方、治療は成人になってからの入れ歯やインプラントしかないのが現状だ。当面は先天性無歯症を対象に2030年の実用化を目指すとのことだが、虫歯や永久歯を失った人への治療にも活用されることになるだろう。薬は口腔内ではなく、腕から点滴で投与される。北野病院は、この方法では歯の根がないと生えないので、頭や手から生えることはないと言う。少しホッとした。そう言えば、サメは歯が抜けても、次から次に歯が出て来ることで有名だ。サメが一生に使う歯は、数万本といわれている。サメのように数万本もはいらないが、ヒトには28~32本あれば良い。この技術で人類は益々長生きすることになりそうだ。

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劇症型溶連菌の治療薬

溶連菌の働きを抑える特殊な分子を発見したと、神戸大などの研究チームが発表した。溶連菌に感染すると、のどが痛くなったり、熱が出たり、場合によっては体や手足に発疹が出たりする。舌が苺のように赤く、ぼつぼつしてくる。もう40年近く前になるが、長男が溶連菌に感染し、心配したものだ。溶連菌の中でも症状が極めて重い劇症型というものがある。今回の発表はその劇症型の治療薬の発見についてだ。その溶連菌とは、手足の急速な壊死や多臓器不全を引き起こす劇症型溶血性レンサ球菌感染症の原因となる溶血性レンサ球菌のこと。致死率が30%と高く「人食いバクテリア」との異名を取っている。溶連菌はDNAを分解する酵素を出し、人体を守ろうとする白血球の働きを妨げることで病状を急速に進行させる。チームは筋ジストロフィーの治療研究に使われる化合物が水中で塊になると、酵素の働きを阻害することを発見。塊になり面を作ると菌を捉えやすくなり、酵素に結合して働きを抑えるという。但し、化合物は水中で勝手に塊になるため血液中では血栓になるリスクがある。チームは、塊のサイズを小さくすることで解決できるとしている。今後の成果を期待したい。

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益々重くなるランドセル

今日はこどもの日なので、小学生のランドセルの話。何年か前、孫の小学校入学祝いのためランドセルを贈ったことがある。大昔は男の子は黒、女の子は赤と決まっていたが、今どきの女の子は黒も選択肢の一つというから驚いた。更に驚いたのはランドセルの重さだ。こんな重い物を毎日背負って通学するのかと驚いたものだ。そのランドセルの重さが、軽くなるどころか重くなっているという。ランドセル自体はメーカーの努力で僅かに軽くはなっているようだ。ところが、中に入れる物が増えている。教科書は学習指導要領に基づき内容を充実させたためページ数が倍増し、サイズも大きくなっている。しかも、カラー印刷が裏側に透けず、子どもが1年間使っても破れないように頑丈な重い紙で作っている。その教科書もデジタル教科書に移行しつつある。でも、移行中だから、教科書の他にパソコンもランドセルに入れるのだ。おまけにコロナ対策の影響で水筒を持参することになった。斯くして、小学生にプロスポーツ選手並みのハードワークが強制されているのだ。まだ骨格が整っていない小学生の身体に良いことはない。文科省が改革しなくて誰がするのだろうか。文科省の不作為としか言い様がない。

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日本の「報道の自由度ランキング」は

国際NGO国境なき記者団が2024年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象180カ国・地域のうち日本は70位で、G7の中で最下位だ。日本はアフリカのコンゴ共和国より低位で、プーチンを援護するハンガリーでさえ67位。NGO国境なき記者団が日本の低い理由を述べている。「日本が報道の自由の原則を支持しているのは理解している。しかし、ジャーナリストが特定のテーマについて報道するのが難しい。特に政治的圧力で政府の責任を十分に問うことを妨げている。主要な新聞社や放送局は国内の5大メディア・コングロマリットによって独占され、かつ政権に忖度している。日本の悪名高い記者クラブ制度がフリーランスや外国人記者に対する露骨な差別となっている」と。ご指摘の通りだと思う。安倍政権時代に軍拡に走るようになってから、政府によるマスコミへの締め付けがきつくなっている。5大メディアは問題点を深掘りしない。だから現地の実情が分からない。国民はツンボ桟敷に置かれている。政権に忖度した報道が流され、選挙の選択肢を歪めている。日本が70位というのは甘過ぎる。180の半分以下の90位以下が妥当だと思う。

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飾りだけの国民主権

今日は憲法記念日なので、憲法について感じたことを書いてみることにした。憲法第30条には「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」とある。だが、当初案には無かったのだ。ところが保守系の議員たちが「納税の義務を規定しないと国民は税金を払わなくなる」という発想で、最終段階で加えたという。しかし、お上に上納するという発想は戦前の憲法だ。主権は国民に存するとする現憲法とは矛盾する。国民に主権があるのであれば、税金の在り方は国民が決め、その使途も国民が決めるべきものだ。国家が税金を取りたければ「国家に課税徴税に権利がある」と記載すべきものだったと思う。現在の日本の政治は、戦前のお上思想がベースになってしまっている。お上側に立っている政治家に特権が与えられ過ぎている。例えば、今問題になっている裏金事件だ。政治団体が課税逃れに使われている。これを是正するのは国民の権利だが、現状は無力だ。諸悪の根源は、現憲法が実情に合っていないということだと思う。しかし、憲法記念日というのに、憲法の在り方は議論されない。せめて憲法学者くらいは声を挙げてほしいものだと思うのだが。

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嗚呼、大谷選手

「野球しようぜ」で全国の小学校に6万個のグローブを贈った大谷選手が、今度は西川のマットレスを約2,500本無償提供するという。しっかりした睡眠があったからこそ、いつも前向きな行動が実現できているんじゃないかという思いからだと言う。能登地震に対しては1億4千万円を寄付した。英会話のECCとプロジェクトを組み3年間で延べ300人の子供たちの留学支援を行うことを発表した。大谷は留学先にロサンゼルスを要望した。子供たちとの対面や球場への招待の可能性を残したかったからだという。勿論全額を大谷が負担するという。そして今度は女子プロバスケットボール球団に投資する計画もあるとか。NBAレジェンドのマジック・ジョンソンも出資するレイカーズの姉妹球団ロサンゼルス・スパークスにだ。球団への投資といっても、利益を追求するのではなく、リーグやチーム発展の支援が主な目的になると見られている。大谷がスパークスのオーナーに加われば、元ユニバーシアード日本代表の真美子夫人が日本人選手の移籍を後押しすることになるかもしれない。米国ではプロスポーツチームのオーナーは社会的な評価が高く、ステータスも得られる。水原通訳には24億円も窃盗されたのにビクともしない。大金持ちは、意外と金に細かいと言われているが、大谷の金の使い方は、真っ当かつ大胆だ。この先どのような人物になるのだろう。唯々驚嘆。

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政治資金規正法改正の第一歩とは

ゴールデンウィークで皆が休み、政治資金規正法改正の報道もすっかりなりを潜めてしまった。自民党の案は、なんちゃって連座制だった。連座的効果を発揮するのは確認もしないで確認書にサインした時だけなのだから。議員が秘書と共謀して立証出来なければセーフというザル法なのだ。自民案では解決しない。野党が主張する連座制が成立すれば、一つの解決策となるのだが、残念ながら道は遠い。政治資金規正法の根本的な問題は、監督制度が無いことだと思う。ビッグモーターが違反をした際には、国土交通省が立ち入り調査をした。銀行や保険会社が不正をすれば、金融庁が立ち入り調査をした。政治資金規正法自体は総務省の所管だが、監督権限は持っていない。形式的な違反だけはチェックするが、中身がおかしいという口出しは一切出来ないのだ。あれだけの違反があっても総務省には、訂正を命じる権限は無いのだ。目に余るものは検察が立件するということになっている。岸田は「政治活動の自由を守るため監督機関は無用」とほざいているが、諸外国は監督機関を設けている。米国は連邦選挙委員会、英国は選挙委員会という監督機関があり、立ち入り調査や制裁による監督権限が認められている。政治そのものを監督するのではなく、不正を監督するのだから、設置が認められるのは当然だ。まずは監督機関の設置が政治資金規正法改正の第一歩になるはずだ。

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